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瓦斯野炎男の美味しいミュージアム【東京駅編】〜ドームに隠れた「人にやさしく」熱狂と、丸の内・知の迷宮へ〜

テーマ:     公開日:2026年10月08日

こんにちは、瓦斯野炎男です。
今回の舞台は、日本の玄関口「東京駅」。歴史あるレンガ造りの駅舎と、最先端の美食が交差するこの場所を、私ならではの視点で歩いてみたいと思います。

巨大な地下迷宮を彷徨っていると、どこからかソースの焦げる香ばしい匂いが漂ってきました。抗えない空腹感に導かれ、辿り着いたのは広島お好み焼きの人気店「電光石火」です。

1.鉄板の上で鳴り響く「ブルーハーツ」の魂
通路から覗く店内の活気は、まさに「電光石火」。
お昼時とあって行列は絶えませんが、店員さんの見事な手際で回転は早く、期待に胸を膨らませながらスムーズに入店できました。

この店の面白いところは、メニューの名前にあります。創業者が伝説のロックバンド「ブルーハーツ」の熱狂的なファンだそうで、店名はもちろん、お好み焼きのメニューもすべて彼らの曲名から取られています。

私が注文したのは、広島らしく牡蠣がたっぷり入った「人にやさしく」。熱した鉄板の上で、キャベツが踊り、麺が弾ける。素材の水分を飛ばしていくその熱気に、こちらの期待も最高潮に達します。

2.常識を覆す「黄金のドーム」
運ばれてきたのは、これまでのお好み焼きのイメージを覆すルックスでした。卵を2個も使い、全体をふんわりと包み込んだ「ドーム型」。

一般的なお好み焼きのように上からヘラで押し付けないのが、電光石火流です。ドームの中に閉じ込められたたっぷりの野菜は、蒸らされることで甘みが引き出され、驚くほどふっくらとした食感に仕上がっています。

ヘラを入れれば、中から湯気と共に磯の香りを纏った牡蠣が顔を出します。濃厚なソースと卵のまろやかさ、そしてキャベツの瑞々しさ。その完璧な調和に、私のヘラもまさに「電光石火」の如く止まりません。気づけば、あれほどボリュームのあったドームを、あっという間にたいらげてしまいました。

3.JPタワーに潜む「知の迷宮」インターメディアテク
胃袋が広島の熱狂で満たされたところで、地下街の賑やかさを背に、丸の内側の地上へと這い上がります。目指すのは、旧東京中央郵便局の歴史を刻む「JPタワー」。そこには、東京駅の喧騒とは対極にある、静謐な空間が待っています。

「インターメディアテク(IMT)」。
一歩足を踏み入れれば、そこは十九世紀の実験室か、あるいは冒険家の書斎に迷い込んだかのような錯覚に陥ります。

東京大学が明治の開学以来蓄積してきた膨大なコレクションが、美しく、そして濃密に配置されています。

いきなり出迎えてくれたのは、見上げるほど巨大なキリンの骨格標本。その圧倒的なスケールに、自分が今、駅前のビルの中にいることを忘れてしまいそうです。

4.明治のテクノロジーから、ガスミュージアムへ
多岐にわたる展示の中で、私の足を止めさせたのは「機構模型」の数々でした。

明治以降の工学教育に使われた、蒸気機関や様々な機械の模型。歯車が噛み合い、動力を伝えるその精緻な造形を眺めていると、ある「繋がり」に気づかされます。

実は、私が務めるガスミュージアムでも、10月3日より企画展「時代を創るモダン・テクノロジー」が始まっています。

IMTに並ぶ明治の機器模型たちが切り拓いた時代の先には、日清製粉グループによる製粉の歴史や、私たちの地元・小平が誇る「武蔵野うどん」の文化も繋がっているのです。

自館の宣伝で恐縮ですが(笑)、こちらの企画展は12月25日まで開催中。IMTで「知」の根源に触れたあとは、ぜひ小平の地で、技術がどう暮らしを変えたのかを確かめにきてください。

工学の基礎を築いた蒸気機関の模型。鉄と真鍮が放つ独特の光沢には、未知の力に挑んだ当時のエンジニアたちの情熱が宿っているようです。東京駅前で、これほどのクオリティの展示に無料で触れられる。まさに「知の宝庫」と呼ぶにふわしい場所でした。

5.迷宮の終わりは、アメリカンな甘い休息
頭と目を目一杯使ったあとは、脳が糖分を求めて叫び始めます。
再び八重洲地下街(ヤエチカ)へと戻り、旅の締めくくりに向かったのはアメリカンダイナー「バビーズ」です。

ここで注文すべきは、やはり代名詞である「アップルパイ」

ゴロゴロと大きなリンゴが詰まった、本場アメリカの家庭の味。サクサクのパイ生地と、シナモンが香るリンゴの甘酸っぱさが、歩き疲れた身体にじわりと染み渡ります。

広島のソース、丸の内の知性、そしてニューヨークの甘美。東京駅という巨大なハブ(結節点)だからこそ味わえる、贅沢なフルコースでした。皆さんも、東京駅の地下迷宮と知の迷宮、ぜひセットで味わってみてください。

それでは、また次回の「瓦斯野炎男の美味しいミュージアム」でお会いしましょう!

 

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