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瓦斯野炎男の美味しいミュージアム【高輪台編】 〜台湾朝食、物流の鼓動、そしてハワイの風。パスポートのいらない「流れ」の旅〜

テーマ:     公開日:2026年08月14日

こんにちは、瓦斯野炎男です。夏休みといえば海外旅行へ飛び出したいところですが、近頃の円安を前にすると、パスポートを持つ手もつい止まってしまいます。ならばいっそ、東京の真ん中で異国を味わってしまおう。そう決めて、五反田へ向かいました。連載開始以来、初となる「朝食」の探訪です。

1.五反田の「入国審査」を越えて
駅から歩いて7分ほど。ビル群の合間に、そこだけ呼吸が違うような緑に覆われた入口が現れます。台湾式の朝ごはんが楽しめる「東京豆漿生活(トウジャンセイカツ)」です。

行列こそ外までは伸びていませんでしたが、店内の空気は濃い。先に注文を済ませ、店奥で席が空くのを待ちます。
20分。この待ち時間が、日常の日本から切り離されるための入国審査(のようなもの)だと思えば、期待も膨らもうというものです。

さあ、台湾入国です。席に着くと、ほどなくして主役たちが運ばれてきました。

一番人気の「鹹豆漿(シェントウジャン)」と「台式おにぎり」です。
鹹豆漿は、自家製調味料の酢で豆乳をゆるりと固めたスープ。一口啜れば、酸味と旨味が胃の腑へ優しく、しかし確実に染み渡ります。朝の身体を内側から起こしてくれるような、まさに滋味(じみ)という言葉がぴったりの一品です。

対するおにぎりは、本場と同じくビニール袋に包まれたまま差し出されます。

袋を開けば、あたたかくもちもちとした米の塊。中には肉鬆(肉でんぶ)、油條(揚げパン)、煮卵が隙間なく詰まっています。一口ごとに食感が変わり、重たいはずの揚げパンが米の甘さを不思議と引き立てていました。

2.高輪台に眠る、暮らしの「運び」
さて、胃袋が異国情緒で満たされたところで、今日の旅はここからが本番です。高輪台の坂の上にある「物流博物館」へ向かいましょう。

特徴的な赤レンガが見えてきました。

早速中へ入ると、公式キャラクターの「カーゴ君」がお出迎え。

ここは江戸時代から現代までの「運び」の歴史を一望できる場所です。

館内に入ると、飛脚や天秤棒での運搬展示が目を引きます。馬や船。かつての物流を支えた主役たちの姿も、そこにはありました。

明治8年ごろの新橋停車場の模型に足が止まります。新橋にガス燈が灯ったのとほぼ同じころ、鉄道もまた「物流」の歴史を塗り替えていたのですね。

蒸気船は、トラックが登場するまで物流界のスターとして、川や水路で大量の物資を内陸まで運んでいたといいます。

瓦斯野炎男としては、やはりエネルギーの輸送に目がいってしまいます。
かつてのガス燈の燃料となる石炭も、こうして人の手や馬、舟によって運ばれてきた。展示品の一つひとつに、暮らしを支えてきた重みが感じられます。

おっと、これはガス燈ではないですか。琵琶湖北岸の港として栄えた塩津の、内国通運会社の代理店の店先にあった「軒燈(けんとう)」だそうです。思わぬ場所での再会に、親近感が湧いてきます。

ささらに驚いたのが「木炭ガス発生炉」の展示です。戦時中などの燃料不足の時代、石油の代わりに木炭から発生させたガスでトラックを動かしていたのだとか。始動に時間がかかり、パワーもガソリン車の半分程度……。当時のドライバーたちの苦労と、それでも「運ぼう」とした執念には頭が下がります。

3.都市を巡る「血流」を眺めて
そして、この博物館の真骨頂は地下にありました。階段を下りた先に広がるのは、目も眩むような巨大パノラマ模型です。

空港、港湾、鉄道ターミナル、そして高速道路。私たちの暮らしを支える「運び」のネットワークが、緻密なジオラマとなって脈動しています。ボタンを押すと模型のトラックや列車が動き出し、荷物がどこから来てどこへ運ばれるのか、その「流れ」が可視化される仕組みです。

眺めていると、普段何気なく使っているガスも、この複雑で精緻なルートの果てに届けられているのだと改めて気づかされます。物流とはまさに、都市の血流そのもの。この巨大な模型は、見えないところで動き続ける社会の心臓部を教えてくれているようです。

4.旅の終着点は、ワイキキの風を感じて
最後に世界地図を眺めていたら、また海外に行きたくなってしまいました。
そこで、すぐ近くにある「別の海外」へ参りましょう。ハワイです。
物流博物館からほど近い「コーヒーラウンジ マウナケア」で、ハワイ気分に浸ります。

メニューを開けば、そこには南国の風が吹いていました。

注文したのは「トロピカル ワッフル マウンテン」。
これでもかと盛られた南国フルーツを頬張れば、気分はもうワイキキ。台湾から始まった今回の旅を締めくくる、最高のご褒美となりました。

今回は台湾の朝ごはんと、私たちの暮らしを支える物流の歴史、そしてハワイのスイーツ。
物が運ばれ、火が灯り、食卓が整う。すべては一つの「流れ」の中にあることを実感した一日でした。皆さんも高輪台の地で、パスポートのいらない世界旅行を楽しんでみてはいかがでしょうか。

それでは、また次回の「瓦斯野炎男の美味しいミュージアム」でお会いしましょう!

 

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