
ガスミュージアムブログ
収蔵資料を紹介します。【その15】
東京では季節が移り変わり、花の盛りも桜から藤、アヤメと入れ替わってゆきました。そしてこれから5月下旬
から6月上旬にかけて盛りを迎えるのが花菖蒲です。
花菖蒲は日本原産の園芸植物で、日本の山野に自生するノハナショウブが改良育成されたものです。江戸時代は
武家や富裕層から庶民まで園芸が流行し、特に花菖蒲は江戸の園芸文化を代表する植物です。
東京東部のかつて湿地帯が広がっていた堀切では、水田の裏作として花菖蒲の栽培が始まり、やがて多くの
花菖蒲園が誕生しました。花菖蒲園は、地植えの花菖蒲を群落で紹介する回遊式観光庭園で、江戸時代終わり頃
には「小高園」や「武蔵園」が、明治に入ると「吉野園」や「堀切園」などが誕生し、大正時代に全盛期を迎え
ます。
今回ご紹介する作品は、明治時代の堀切の花菖蒲園を描いた錦絵になります。

東京花名所 ほり切の里花菖蒲 歌川広重(三代) 明治12年(1879)
築山の上の東屋(あずまや:庭園に設置される建屋)からは、園内のさまざまな種類の花菖蒲を楽しむことができた
ことが作品から見て取れます。また花菖蒲に止まる鳥はオオヨシキリではないかと思われます。
江戸時代には歌川広重などに、明治以降は小林清親や楊斎延一などが花菖蒲園の風景を描いており、当時の隆盛を
私たちに伝えてくれています。

写真 堀切の菖蒲 『東京風景』より 明治44年(1911)
この写真からは、園内の東屋から、そして間近に咲き誇る花菖蒲を眺める人々の賑わいを見ることができます。
しかし昭和に入り戦火が激しくなると多くが閉園してしまい、戦後復興した「堀切園」を引き継いだのが現在の
「堀切菖蒲園」になります。
昭和34年(1959)に東京都へ買収され、翌年に「東京都立堀切菖蒲園」として公開されました。
その後、昭和50年(1975)4月からは葛飾区に移管され、現在では「葛飾区指定史跡 堀切菖蒲園」として整備
されています。
花菖蒲の咲き誇る毎年6月には、近隣住民だけでなく遠くからも、あでやかなその花を愛でるために人々が
訪れます。
江戸時代に数多くの品種が育成されて現在に受け継がれてきた、さまざまな花菖蒲たちを眺めにゆかれてみては
いかがでしょうか?
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