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収蔵資料を紹介します。【その12】

テーマ:     公開日:2026年02月18日

今年は1月後半から日本海側の西日本、そして東日本から西日本の内陸にかけて大雪となりました。
特に2月8日(日)は、関東地方の平野部を含む広い範囲が雪に覆われました。東京では久しぶりの雪で、
雪に慣れていない方は外出にも苦労されたのではないでしょうか。ガスミュージアムもまた降り
積もる雪に覆われました。

ガスミュージアム雪景色 撮影:2026年2月8日

今回は昔の東京の街が雪に覆われた様子を、当館収蔵の錦絵から紹介したいと思います。

本町通夜雪 小林清親 明治13年(1880)

この作品は、明治時代の東京日本橋北側付近から浅草橋へ続く本町通りの雪景色を描いています。現在の
日本銀行東側から「室町3丁目南交差点」を東に向かい、「浅草橋」へと続く、かつての日光・奥州街道に
あたる道筋です。この道は現在「旧日光街道」とも呼ばれています。

作品には雪の降り積もる夜の通りを進む馬車の様子が描かれており、馬車を引く馬が躍動感のある姿で
表現されていることが目を引きます。作者の小林清親は、この空間を照らす光の表現にも工夫を凝らして
います。
ガス街灯や馬車の照明が照らす周囲にのみ降る雪を描くことで、夜の暗さを対比する形で表現しています。
また馬の足下を見ると、足の黒い影が多方向に濃淡をもって描かれています。濃い影は作品内に描かれて
いるガス街灯によるものです。一方、薄い影は、構図の外にあるガス街灯の光によるものであると推測
できます。

作品は実際の風景を見つめ制作されたと考えられ、描かれている通り沿いのガス街灯ですが、この通りに
ガス街灯が敷設されたのは明治8年(1875)4月1日のことであり、作品は当時の実際の風景を忠実に写実
したものと考えられます。
またガス街灯脇の建物壁には「薬種」の看板が見えますが、日本橋本町は江戸時代より薬問屋が集まる地域
でした。明治以降は西洋の薬のほか、写真現像の薬品を扱う店舗もありました。現在もこの通り沿いには、
「中外製薬株式会社」、「第一三共株式会社」、「武田薬品工業株式会社」などが本社を構えています。

現在は近代建築物が並ぶ風景が広がっていますが、その中にも歴史を感じさせるスポットが今なお点在して
います。気候の良いときに併せて街を巡ってみませんか?

 

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