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収蔵資料を紹介します。【その13】

テーマ:     公開日:2026年04月04日

2026年の東京における桜の開花日は3月19日と例年より5日早く、満開日も3月28日と3日早く訪れました。

満開を迎える桜の風景は以前のブログでも紹介をしています。
 東京ガス:GAS MUSEUM ガスミュージアム / 桜がもうすぐ満開です

桜とガスミュージアム 撮影:2026年4月3日


写真は4月3日のミュージアムの桜の風景です。散り始めてはいるものの、まだ美しい桜の花を楽しむことが
できました。

東京を代表する花見スポットは数多くありますが、上野公園はその筆頭に挙げられるでしょう。
実は江戸時代、上野では様々な品種の桜が植えられており、開花時期がずれることで一ヶ月以上もの間、桜を
楽しむことができました。現在私たちが思い描くような、群生する桜が一斉に咲き、満開を迎え、そして散る
という光景は、弘化年間(1840年代後半)に登場したソメイヨシノという品種があって初めて見られるもの
です。
ソメイヨシノは、元は一本の桜から挿し木で増やされたクローン品種であり、同じ特徴を持つため、一斉に
開花し、およそ一週間で満開となり、あたり一面を桜の花で彩ります。

今回ご紹介する作品は、今から約150年前の上野公園の風景を描いたものです。

東京名所内 上野公園地不忍見晴図 歌川広重(三代) 明治9年(1876)


明治9年(1876)に出版された三枚続きの木版画には、公園内の様々な樹木の間で個々に桜が花を咲かせている
様子が描かれており、桜の植樹がまだ途中であったことがうかがえます。
作品内の洋風建築の建物は、この年に開業した上野精養軒です。建物の背景には不忍池越しに富士山が描かれて
おり、実際にこのような眺望を楽しめる場所を選んで出店されたそうです。

次に紹介するのは、明治の終わり頃の上野公園で桜を楽しむ風景を撮影した写真です。

写真 上野公園の桜花  『東京風景』より  明治44年(1911)

この写真からは、上野の桜の下を散策し、花を愛でる人々の様子がうかがえます。多くは和服姿の人々ですが、
馬車や人力車が走り、電線やアーク灯が見える風景は、明治という時代を私たちに伝えてくれます。一斉に咲き
誇る桜の姿から、この頃には桜の品種としてソメイヨシノが主流になっていたと考えられます。
ソメイヨシノの開花時期は、卒業・入学、入社・転勤といった人生の節目や年度の切り替わり時期と重なるため、
桜の花はその象徴となりました。「桜前線」や「開花予想」、そして一斉に繰り出す「お花見」は、ソメイヨシノ
であればこそ実現するものです。

これからも「桜の便り」は、各地から届くことでしょう。
皆様の身の回りでは、まだ桜を楽しむことができますでしょうか。

ガスミュージアムでは4月4日より新しく企画展を開催しております。

企画展紹介コーナー ガスミュージアム 企画展 ~祈り・学び・行楽~ 「明治の上野公園 三つの顔」展

今回ブログで紹介をした作品も展示会でご覧頂けます。
みなさまの来館をお待ちしております。

 

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