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収蔵資料を紹介します。【その9】

テーマ:     公開日:2025年11月20日

少しずつ紅葉の便りが話題に上がる時期になりましたが、皆さんのまわりの紅葉の進み具合はいかがでしょうか。

江戸から明治にかけての東京では、秋の名所として品川の海晏寺や王子の滝野川渓谷が広く知られていました。
また、明治以降は大名庭園を引き継いだ小石川後楽園や六義園のほか、広大な敷地を持つ神社仏閣の境内も紅葉を
楽しめる場所でした。
そのような場所の一つが根津神社です。

神社は十五世紀に太田道灌より社殿の奉建を受けるなど歴史のある神社ですが、現在の境内建物は、徳川五代将軍
綱吉が六代将軍家宣の産土神である根津神社にその屋敷地を献納し、世に「天下普請」(幕府直轄の大規模建築工事)と言われる大造営がおこなわれました。
宝永三年(1706)に完成した権現造りの本殿・幣殿・拝殿・唐門・西門・透塀・楼門は、関東大震災をはじめとする自然災害や戦災を乗り越え、現在までしっかりと残り、国の重要文化財に指定されています。
根津神社は春のつつじ祭りの期間に入園できるつつじ苑も有名ですが、七千坪の境内は都心にありながら緑豊かな鎮守の杜に囲まれており、季節を問わず楽しむことができます。
紹介する作品は秋の境内の風景が描かれています。

小林清親
「根津神社秋色」
明治13年(1880)


作品では紅葉が進む境内の木々と、現在も変わらず漆塗りの楼門が鮮やかな朱色で描かれています。
この楼門はかつての江戸府内の神社で、当時の姿のまま唯一残っているものです。神を守る者として安置される随身姿の像二体のうち、向かって右側は水戸黄門だと言われています。
現在でも作品に描かれている風景は、木々の成長はあるものの、当時と変わらない姿を私たちも眺めることができます。

またガスミュージアムのモミジの紅葉も見頃を迎えています。

ガスミュージアム 紅葉風景 2025年11月20日撮影


どうぞ皆様も天候のよい日に、お近くの紅葉を楽しみに出かけてみませんか。

次回はどのような資料が紹介されるのか、どうぞ楽しみにお待ちください。

 

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