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瓦斯野炎男の美味しいミュージアム【田端王子編】   ~東書文庫と行列の定食屋で味わう秋の味覚!秋刀魚の塩焼きとサクサクのアジフライ~

テーマ:     公開日:2025年09月15日

こんにちは!ガスミュージアム専属リポーターの瓦斯野炎男です。今回は田端にやってまいりました。
「なんで田端?」という感じかもしれませんが、実はメインの東書文庫のある王子駅へ行くため、山手線から京浜東北線へ乗り換える駅なのです。…とはいえ、それは後付けの理由でして、実際には最近話題の定食屋さんに行きたかったのです。
そのお店が「動坂食堂」。
創業は昭和25年で、70年以上にわたり地元で親しまれている老舗ですが、最近はテレビ出演も多く、お昼時には行列ができるほどの人気を誇っています。

早速お店に入ってみましょう。名物のおかみさんが奥に鎮座しており、温かく出迎えてくれます。テーブルにはメニューがなく、壁にかけられた短冊を端から眺めながら注文を考えます。どれも美味しそうで、迷ってしまいました。
そんな中、今年は豊漁とニュースになっていた秋刀魚の塩焼き定食をいただくことにしました。さらに、名物のアジフライも追加注文です。
今年の秋刀魚は大きく、ほどよく脂がのっていて、表面はパリッと、中はふっくらと焼き上げられていました。塩加減が絶妙で、魚本来の旨味が引き立ちます。かぼすを少し絞ると、爽やかな香りが加わり、さらに食欲をそそられました。

アジフライは名物というだけあって、さすがに肉厚で、衣はサクサクかつ香ばしく、中はジューシーでふんわりと仕上がっています。今回は欲張って注文してしまいましたが、このアジフライだけでご飯一杯を十分に楽しめる美味しさでした。

二人前?食べて大満足のところですが、そろそろメインの東書文庫に向かいます。
東書文庫の正式名称は、東京書籍株式会社附設教科書図書館「東書文庫」です。

1936年に東京書籍創立25周年の記念事業として開館しました。日本初の教科書図書館として、教科書を中心に約16万6,000点もの教育関係資料を所蔵しています。
また、東書文庫の建物自体も貴重な存在で、東京都の「北区指定有形文化財(構造物)」に指定されています。

建物の表札は洋画家・書家の中村不折氏(1866-1943)が揮毫したものであり、新宿の中村屋のロゴも同氏によるものだそうです。なお、9月27日から開催するガスミュージアムの企画展には、新宿中村屋(株式会社中村屋)さまのご協力もいただいておりますので、ぜひご期待ください。
https://www.gasmuseum.jp/gallery/

建物はアール・デコ様式を取り入れたモダンな造りで、戦火を免れ当時の姿を今に残しています。

正面玄関や半円形の部屋、丸窓などがアール・デコ建築の特徴をよく表しています。

それでは中に入ってみましょう。

こちらは東書文庫の歩みを紹介するパネルです。もともとは明治時代から続く教科書の工場だったそうです。

このパネルの奥に展示室があり、南北朝の巻子本から始まり、江戸時代から現代にかけての貴重な教科書や教育資料が展示されています(写真撮影はしておりません)。「NEW HORIZON」という英語の教科書、懐かしいですね。中学の教科書はあまり記憶にありませんが、なぜか「NEW HORIZON」は印象に残っています。
所蔵資料は非常に多く、展示されているのはごく一部に過ぎません。閲覧を希望する場合は、事前に見学予約と閲覧申請が必要とされています。ただし、保存状態などの理由により、すべての資料が閲覧できるわけではないようです。
たっぷり教科書の歴史を学んだ後、建物の外に出ると銅像が目に入りました。
こちらは、東書文庫を開館した東京書籍の第三代社長、石川正作氏の銅像です。

その隣には、なぜか鳥居が見えました。

近づいてみると、そこは神社でした。

創建当時に建立され、伊勢神宮から分霊を受けた「東書神社」だそうです。
東書文庫周辺は空襲により一面火の海となりましたが、この文庫と神社、庭園の木立は焼失を免れ、今日まで当時の姿を残しています。お伊勢さんのご加護かもしれません。

いかがでしたでしょうか。今回の瓦斯野炎男の「美味しいミュージアム」、今年は特に大きくて旬の美味しい秋刀魚をぜひ皆さんも味わってみてください。それでは、またお会いしましょう!

 

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