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収蔵資料を紹介します。【その7】

テーマ:     公開日:2025年09月04日

昭和30年に入ると「高度経済成長期」を迎えた日本では、年10%あまりの経済成長とともに「三種の神器(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)」の製品の普及を皮切りとする製造業の成長は、人々の暮らしを量と質の両面から豊かにしていきました。
ガス業界も都市ガスだけでなくプロパンガスの普及と共に、ガス器具の需要拡大に合わせてさまざまな用途やデザインの製品が登場しました。

今回紹介する製品は、工業デザイナー柳宗理氏がデザインした、氏41歳の時に発売されたストーブです。
寸法は幅が約470mm、高さが約460mm、重さが8kgの製品で、8畳から10畳向けの室内暖房に適したストーブになります。

「TG25号ストーブ」
販売年:昭和31年(1956)   販売価格:¥6.000-

当時のストーブは鋳物製やプレス鋼板の箱形や円筒形型の外観の中に、ガスの燃焼熱を輻射熱として効率よく暖房をおこなうための部材である「スケルトン(耐火粘土製)」が利用されるなか、従来の製品とは異なった、「スケルトン」の後側は銀色の反射板と本体がカーブを描き、一体となった卵形をしたデザインをしており、非常に斬新な形をした製品でした。

東京ガスでは明治の頃より器具デザインのため専門家の協力仰いでおり、明治末期には東京美術学校(現:東京芸術大学)鋳金科出身の田中後次氏を招くほか、大正末期には、同じく東京美術学校彫刻科卒業の横江嘉純氏が、嘱託のかたちでガスストーブの図案や石膏模型にかかわられたなど、かつては東京ガスがガス器具の製作にも関わっていました。

今後紹介する資料の中にも関わられた製品が登場するかもしれませんので、どうぞ楽しみにしてお待ち下さい。

 

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