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収蔵資料を紹介します。【その1】

     公開日:2025年05月02日

現在開催中の企画展「天気を映す明治の東京」展では、明治のさまざまな天候や時刻の東京風景を描いた作品を紹介しています。
展示では陽光や夜間の光や影の微妙な変化を版画で表現した、現在では「光線画」と呼ばれている、小林清親や弟子の井上安治、影響を受けたと言われる小倉柳村(おぐら・りゅうそん)の作品を数多く紹介しております。
なかでも小倉柳村の手がけた作品を、今回は2点紹介をしております。

小倉柳村という絵師の名前はあまりなじみのない方が多いかと思います。
確認されている作品は、いずれも明治13年(1880)から明治14年(1881)にかけて刊行された、東京の昼夜の風景を取り上げた洋風風景版画9点のみで、作品から確認できる画工(作者)の住所は「築地小田原町二丁目十四番地」、版元の名称は「新井八蔵(造)」、住所は画工と同じ住所になります。

9点の作品の内で作品名の記載があるものが7点になりますが、今回紹介する作品「隅田川岸図」は題名が記載されている作品が確認されておらず、正式な作品の名称は不明です。

小倉柳村 「隅田川岸図」 明治14年(1881)


夕暮れや夜の風景が多い小倉柳村の作品ですが、紹介をする作品は、雲がわずかに浮かぶ淡い青空から差す、やわらかな日差しに包まれた風景が表現されており、釣り竿を担いだ男性が隅田川岸を歩む姿からは、明治東京の街中の喧噪とは異なる穏やかな様子が見て取れます。

これまで館HP上では掲載をしておりましたが、作品を展示公開することは今回が初めてのことになりますので、是非展示会場で小倉柳村の作品をご覧頂ければと思います。
展示会は6月22日(日)まで開催しておりますので、みなさまの来館をお待ちしております。

 

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